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胃癌の範囲診断

胃がんは分化型胃がんと未分化型胃がんに大別され、その基本構造は全く異なる。

分化型胃がんの多くは全層性増殖する為に背景粘膜との境界が明らかになる。未分化型胃がんは腺頸部を側方進展するので表面にはがん細胞が露出しない。

 以前、未分化がんは萎縮の少ない胃底腺領域に発生することが多く、胃底腺部では腺管密度が高く、腺頸部を側方進展できない。がんが全層に発達し、境界が明瞭になる。萎縮の強い部では、間質が広い為に、未分化型胃がんは非上皮性上皮を破壊せず、間質を側方に進展し、その境界は不明瞭になる。通常内視鏡を用いた側方進展範囲診断は色調、段差、表面性状から診断する。分化型がんは腺管構造があり、間質に血管で赤くみえる。隆起または陥凹し、不整な表面を示す。未分化型胃がんでは間質の血管が減って褪色を呈する。がんが間質の血管を破壊して、虚血に陥ると糜爛を形成し、陥凹内部に再生結節ができる。

萎縮の少ない胃底腺に発生すると境界明瞭な不正な陥凹がでる。除菌後に分化型胃がんの粘膜表面が再生上皮に覆われ、診断が困難になる。

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